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骨挫傷でこんな症状はありませんか?
- スポーツ中の衝突や転倒後に、痛みが長引いている
- レントゲンでは異常なしと言われたが、痛みが続いている
- 安静にしていても痛みがある
- 患部を押すと強い痛みがある
- 運動すると痛みが増す
- 患部の腫れや内出血がある
- 関節を捻った後、関節周辺に持続的な痛みがある
- 通常の捻挫や打撲の治療をしても症状が改善しない
骨挫傷とは

骨挫傷とは、外部からの強い衝撃や圧力により、骨の内部に微細な損傷が生じる状態です。簡単に言えば「骨内部のケガ」です。
打撲や捻挫と症状が似ていますが、骨の内部に微小な出血や骨折(不顕性骨折)が起こっており、骨の表面(皮質骨)には明らかな損傷が見られないことが特徴です。そのため、通常のレントゲン検査では発見しにくく、見逃されがちな怪我です。
外力が骨に伝わると骨挫傷になる

スポーツ中に激しくぶつかる、交通事故、転倒など体に大きな衝撃を受けると「挫傷(ざしょう)」や「骨折(こっせつ)」といったケガをすることがあります。挫傷は外部からの衝撃で筋肉や靭帯を損傷すること、骨折は外部からの衝撃で骨が一部または完全に断裂することをいいます。
骨挫傷はこの2つの症状が組み合わさったようなケガで、骨の内部に微細な損傷が生じる状態です。
骨挫傷の原因
コンタクトスポーツでの衝突
他者との衝突が激しい、いわゆる「コンタクトスポーツ」(サッカー、ラグビー、バスケットボールなど)で発症しやすいケガの1つです。誰かとぶつかった場合や、どこかに強く打った場合に発症します。
関節の捻挫
関節を強く捻ったときに、関節を構成する骨同士が強くぶつかり合うことでも発症します。特に膝関節や足関節での発症が多く見られます。
転倒や交通事故
日常生活での転倒や交通事故など、強い外力が加わったときにも発症することがあります。
骨挫傷の症状
持続的な痛み
動かさなくても痛み、患部を押すと痛み(圧痛)、運動すると痛みが増すといった症状が現れます。特に特徴的なのは、通常の打撲や捻挫と比べて痛みが長引くことです。
腫れと内出血
患部の腫れや内出血が見られることがあります。
長引く症状
骨挫傷は特に痛みと腫れが長引くことがあり、骨折との判断がつきにくいケガです。痛みは概ね1ヶ月程度続くことが多いですが、症状の重さによっては数ヶ月かかる場合もあります。
骨挫傷の特徴
長引く痛み
骨挫傷の特徴は長引く痛みです。通常の打撲や捻挫と異なり、数週間から数か月にわたって痛みが続くことがあります。
骨の構造と骨挫傷の関係
骨の外部は豊富な血管と神経がある「骨膜(こつまく)」で包まれています。その次に「皮質骨(ひしつこつ)」があります。皮質骨は骨同士の密度が高いため硬く、体を支える機能があります。
皮質骨の内側には「骨内膜(こつないまく)」に包まれた「海綿骨(かいめんこつ)」があります。海綿骨は骨同士の密度が低いため衝撃を吸収する機能があります。海綿骨よりさらに内側には「骨髄腔(こつずいくう)」があり、血液をつくる「骨髄(こつずい)」があります。
骨挫傷は海綿骨より内側の骨内部の内出血や海綿骨の小さな骨折を確認することがあり、骨皮質にキズがみられないことが多いケガです。
骨挫傷で発症しやすい部位
- 中手骨(手首)
- 膝関節
- 足関節(足首)
特に関節を形成する骨端は海綿骨が多いため衝撃吸収に優れていますが、反面、骨の強度以上の衝撃は吸収しきれないこと、また、骨同士がぶつかりやすい構造であることから、(膝関節などで)骨挫傷を発症しやすいです。
骨挫傷と骨折の違い
骨挫傷は骨折や挫傷、打撲と症状が似ているところがあります。痛みも腫れもたいしたことないと思っていても「実は骨折していた」ということが多々あります。
明確な違い
骨折は骨の一部もしくは全部が断たれた状態をいいます。「骨にひびがはいった」と表現されるものを「不全骨折(ふぜんこっせつ)」、骨が皮膚を突き破るくらい折れたものを「完全骨折」といい、骨膜や骨皮質に損傷があります。
これに対し、骨挫傷では骨の皮質(表面)に明らかな断裂がなく、内部の海綿骨に微細な損傷や出血が生じている状態です。
診断の違い
骨折はレントゲンやCTで判別が可能ですが、骨挫傷はレントゲンやCTでは判別が難しく、MRI検査が必要となります。MRIでは骨内部の内出血や微細な骨折(不顕性骨折)の確認ができます。
骨挫傷の診断
MRI検査
骨挫傷の診断には、MRI検査が最も有効です。MRIでは骨内部の内出血や微細な骨折(不顕性骨折)の確認ができます。レントゲンやCTでは判別が難しい骨内部のケガを鮮明に映し出すことができます。
CT検査
CTは骨の状態を詳細に観察できますが、骨挫傷の診断にはMRIほど有効ではありません。ただし、骨折との鑑別には役立つことがあります。
レントゲン検査
レントゲンでは通常、骨挫傷を直接確認することはできませんが、骨折を除外するためにおこなわれることがあります。
骨挫傷の治療
骨挫傷の治療は、症状の程度によって異なりますが、基本的には次のような方法があります。
保存的治療
安静と固定
痛みが引くまでは安静第一です。特に患部に負担をかける活動を控え、必要に応じて包帯やテーピング、装具による固定をおこないます。
薬物療法
痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤の内服や外用薬(湿布や塗り薬)が処方されることがあります。
物理療法
当院では、骨挫傷の治療に以下のような物理療法をご提供しています。
- 超音波治療(組織の修復を促進し、痛みを軽減)
- 電気療法(血流を改善し、痛みを緩和)
- 低出力レーザー治療(細胞レベルでの修復を促進)
リハビリテーション
痛みが落ち着いてきたら、筋力強化やストレッチなどのリハビリテーションを開始します。これにより、周囲の筋肉をサポートし、再発リスクを軽減します。
体外衝撃波疼痛治療
当院では、難治性の骨挫傷に対して
体外衝撃波疼痛治療をおこなっています。
体外衝撃波疼痛治療は、組織の修復を促進し、痛みを軽減する効果があります。くわしくは体外衝撃波疼痛治療のページをご覧ください。
骨挫傷の回復期間
一般的な骨挫傷の場合、痛み止めの湿布や塗り薬、包帯・テーピング固定、リハビリテーションをおこなえば、1ヶ月ほどで痛みは軽減し、完全治癒までには2~3ヶ月程度かかることがあります。
注意点
骨挫傷になった骨は一時的に弱っている可能性があります。痛みがなくなったからといって通常の運動をすぐに再開すると、痛みが再発したり、さらに悪化したりする可能性があります。医師の指導のもと、段階的に活動を再開することが大切です。
当院での骨挫傷治療の特徴
正確な診断
MRI検査やエコー検査による正確な診断をおこないます。
個別化された治療計画
患者さまの症状、生活スタイル、スポーツ活動などを考慮した、オーダーメイドの治療計画を立案します。
先進的な治療法
超音波治療、電気療法、体外衝撃波疼痛治療など、先進的な治療法をご提供しています。
専門的なリハビリテーション
専門のスタッフによる適切なリハビリテーションプログラムをご提供します。
スポーツ復帰サポート
スポーツ選手の早期復帰をサポートするための段階的なプログラムをご提供します。
骨挫傷は、早期の的確な診断と治療が重要

当院では、精密な治療と経験豊富なスタッフにより、骨挫傷の的確な診断と効果的な治療をご提供しています。なかなか良くならない症状にお心当たりのある方も、お気軽に当院までご相談ください。