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体外衝撃波疼痛治療とは

体外衝撃波疼痛治療は、衝撃波を皮膚の上から患部に照射する先進的な治療法です。この治療法は、テニス肘、ジャンパー膝、足底腱膜炎などの腱炎・腱付着部炎、偽関節や疲労骨折に対する疼痛緩和や治療目的に応用されています。
体外衝撃波疼痛治療に使用する装置には収束型と拡散型の2種類があります。収束型はエネルギー強度を高くして患部にピンポイントで照射できる装置で、拡散型は皮膚表面からエネルギーが放出され広範囲のターゲットを治療できる装置です。
当院では、筋・腱の治療に適している拡散型体外衝撃波疼痛治療機器「デュオリスSD1 ウルトラ」を導入しています。
安静、薬物治療やリハビリなどの一般的な治療で症状改善効果がみられない腱炎・腱付着部炎を対象とし治療をおこなっています。
体外衝撃波疼痛治療は、このような方に特におすすめです
- 従来の治療(投薬、注射、リハビリテーションなど)で十分な効果が得られなかった方
- 長期間(6か月以上)続く慢性的な痛みでお悩みの方
- 手術を避けたい方
- 日常生活やスポーツ活動への早期復帰を希望される方
- 痛み止めの薬の使用を減らしたい方
- 繰り返す炎症や痛みにお悩みの方
- 自然治癒力を高めたい方
体外衝撃波疼痛治療の7つのメリットと効果
1 | 痛みの軽減 | 痛み刺激因子を減少させ、慢性的な痛みを和らげます |
---|---|---|
2 | 炎症の軽減 | 抗炎症作用により、炎症を抑制します |
3 | 血流の改善 | 現存する血流を改善し、新たな血管の増生を促進します |
4 | 成長因子の刺激 | 組織の修復に必要な成長因子を活性化します |
5 | 修復機能の活性化 | 線維芽細胞を刺激し、組織の修復能力を高めます |
6 | 幹細胞の増生 | 組織再生を促進する幹細胞の活性化を促します |
7 | 傷の修復能力の改善 | 組織の自然治癒力を高めます |
※表は左右にスクロールして確認することができます。
ターゲットとなる組織
体外衝撃波疼痛治療は、次の組織に有効とされています。
- 筋肉
- 靭帯
- 腱
- 軟骨
- 骨
- 石灰化組織
これらの組織に対して衝撃波を照射することで、細胞レベルで修復反応を促進し、痛みの軽減と機能の回復を図ります。
体外衝撃波疼痛治療が対象となる疾患
足底腱膜炎
(6か月以上
治療経過している
難治性)のみ
保険適応となっております。
それ以外の疾患に対する
治療は
完全自費診療
となります。
- 足底腱膜炎
- アキレス腱炎
- アキレス腱付着部炎
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 内側上顆炎(ゴルフ肘)
- 石灰沈着性腱板炎
- 骨折の偽関節(骨折が適切に癒合しない状態)
- 疲労骨折
- 早期の離断性骨軟骨炎
- 早期の骨壊死
- 舟状骨骨折
その他にも、さまざまな筋骨格系の疾患に対して効果が期待できます。
腱炎・腱付着部炎に対する体外衝撃波疼痛治療
腱炎や腱付着部炎は、過度の使用や加齢などによって発生する炎症性疾患です。これらは通常の保存的治療で改善しないケースも多く、体外衝撃波疼痛治療が有効な選択肢となります。
アキレス腱炎・腱付着部炎
ふくらはぎから踵にかけて痛みが生じる疾患です。体外衝撃波疼痛治療により、炎症を抑制し、腱の修復を促進します。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
膝の前面に痛みが生じる疾患で、ジャンプ動作を繰り返すスポーツ選手に多く見られます。体外衝撃波疼痛治療により、腱の微小損傷の修復を促進します。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
肘の外側に痛みが生じる疾患で、テニスプレーヤーに多いことからこの名前がついています。体外衝撃波疼痛治療により、炎症を抑制し、組織の修復を促進します。
石灰沈着性腱板炎
肩の腱板に石灰が沈着することで痛みが生じる疾患です。体外衝撃波疼痛治療により、石灰の分解と吸収が促進され、痛みの軽減が期待できます。
大転子疼痛症候群
股関節の外側に痛みが生じる疾患です。体外衝撃波疼痛治療により、腱の付着部の炎症を軽減し、痛みの改善が期待できます。
足底腱膜炎
足の裏からかかとにかけて痛みが生じる疾患です。体外衝撃波疼痛治療により、腱膜の炎症を抑制し、組織の修復を促進します。当院では特に足底腱膜炎の治療に力を入れており、多くの患者さまに改善効果を実感いただいています。
足底腱膜炎(6か月以上治療経過している難治性)は
保険適応となっております。
治療適用外となる場合があります
体外衝撃波疼痛治療は安全な治療法ですが、次のような方や病態には原則として適用できません。該当する方は医師にご相談ください。
- 妊娠中の方
- 血液凝固障害を有する、あるいは抗凝固薬を服用している方
- 施術部位へのコルチコステロイド注射による治療中の方
- 腱断裂がある場合
- 未成熟な成長軟骨板がある場合
- 腫瘍や感染部位がある場合
体外衝撃波疼痛治療の方法
拡散型体外衝撃波疼痛治療では、圧縮空気で発生させた圧縮波を患部に連続して照射します。
準備
超音波検査と同じように、治療部位にゼリー(コンタクトジェル)を皮膚の上につけます。
照射
アプリケーターを患部にあて、衝撃波を照射します。
調整
麻酔などは不要ですが、治療効果を得るためには一定の出力(空気圧)が必要となるため、部位によっては治療中に多少の痛みを感じます。患者さまの痛みに応じて出力を調整します。
- 治療開始にあたっては、特に初回治療時には、痛すぎない程度の出力で開始し、徐々に出力を上げていきます。
- 施術開始後であっても出力の調整や休止は可能であり、施術に伴う痛みに応じて治療をおこないます。
- 1回あたりの施術は15~20分で、一定の期間をおいて2~3回の治療をおこなうことが一般的です。
- 症状や疾患によっては、さらに追加の治療が必要となる場合もあります。
診察から治療を受けるまで
当院では、体外衝撃波疼痛治療を受けるにあたり、次のような流れで進めています。
初診・再診
整形外科医師の診察を受け、症状や病態をくわしく評価します。必要に応じてMRI検査、超音波検査を行います。
治療の検討
医師が体外衝撃波疼痛治療の必要性を判断します。
治療説明
体外衝撃波疼痛治療の内容についてくわしい説明を受け、同意をいただきます。
治療予約
体外衝撃波疼痛治療の日時を決定します(完全予約制)。
治療実施
予約日時に来院し、医師による治療部位を超音波にて確定させたのち、専門のスタッフによる治療を受けていただきます。
体外衝撃波疼痛治療の治療効果と期間
体外衝撃波疼痛治療の効果は個人差がありますが、多くの場合、次のような経過をたどります。
初回治療後 | 一時的に痛みが増加することもありますが、数日で落ち着きます |
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2~3回の治療後 | 多くの患者さまで痛みの軽減を実感されます |
治療完了後 | 徐々に症状が改善し、3~6ヶ月かけて最大の効果が現れることが多いです |
治療回数や間隔は、疾患の種類や重症度によって異なりますが、通常は1~2週間の間隔で3~5回程度の治療が推奨されています。
患者さまの声
【症例紹介】40代女性
患者さまの症状と診断
半年前に踵骨(かかとの骨)を骨折され他院で治療されていた枚方市在住の40代女性患者さまが来院されました。骨折自体は完治していたものの、痛みが良くならない状態が続いていました。初診時の問診で痛みの部位をくわしく確認し、その日のうちに超音波検査とMRI検査を実施。検査の結果、足底筋膜に炎症があることが判明したため、すぐに体外衝撃波疼痛治療を開始しました。
患者さまの体験談
最初は体外衝撃波疼痛治療というものになじみがなく、先生からご提案いただいたときには、不安もありましたが痛みがなくなるものならと治療を始めることにしました。正直なところ、半信半疑でしたが、今まで一向に良くならなかったのでチャレンジしてみることにしました。
治療中はある程度の痛みを感じましたが、大島先生から「痛みを感じるということは、治療が効いている証拠です」と説明を受けました。治療は、お話をしながらあっという間に終わりました。驚いたことに、治療後に自宅に戻り駐車場で車から降りたとき、いつもなら必ず感じる痛みが全くありませんでした。本当に驚きました。1週間後に2回目の治療を受け、より効果をだすために治療当日はゆっくり過ごすようにとアドバイスもいただきました。
徐々に痛みが戻ってくるまでの時間が長くなってきていると感じています。以前は「この痛みとは一生付き合っていくしかない」と半ば諦めていましたが、今は痛みのない生活への希望が湧いてきました。治療を始めたばかりですが、今後も続けていきたいと思います。本当にありがとうございました。
医師からのコメント
痛みをあきらめている患者さまが非常に多くいらっしゃいます。痛みの感じ方は本当に人それぞれですが、この患者さまに劇的に効果が見られて大変嬉しく思います。
痛みは生活の質(QOL)を低下させるだけでなく、
前向きな気持ちも奪ってしまいます。
痛みとともに不自由な生活を送っている方々に、この治療が少しでもお役に立てればという思いで日々診療をおこなっています。
体外衝撃波疼痛治療を受けるために遠方からお越しになる患者さまもいらっしゃいます。当院では、まず痛みの原因をしっかりと特定することを重視しており、MRI検査や超音波検査を用いて、妥協することなく専門医の目で診断しています。痛みを諦めている方は、ぜひ一度ご相談ください。