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こんな症状でお悩みではありませんか?
- 運動後に腰や膝が痛む
- スポーツをしていて痛みが続いている
- 足の形が気になる(O脚・X脚など)
- 背中や肩の高さが左右で違う
- 姿勢が悪いと指摘される
- しゃがむことが難しい
- よく転ぶ
- 成長痛と言われたが心配
- 学校検診で指摘を受けた
小児整形外科について
当院の小児整形外科では、お子様の骨や関節、筋肉に関するさまざまな症状に対応しています。
近年の子どもたちの運動器疾患には大きく二つの傾向
- スポーツを過度におこなうことで生じる障害を持つお子様が増えています。
- 運動不足により関節や筋肉が硬くなり、しゃがみこみができなかったり転倒しやすくなったりする「子どもロコモ」の状態にあるお子様も増えています。
当院では、こうしたさまざまな状態のお子様に対して適切な診察と治療、そして生活習慣についてのアドバイスもおこなっています。また、学校検診で問題が見つかったお子様の診察も積極的におこなっております。
主な小児整形外科の疾患
- O脚、X脚
- 内反足
- 腰痛
- 股関節痛
- 成長痛
- オスグッド・シュラッター病
- ペルテス病
- 踵骨骨端症
- 先天性股関節脱臼
- 分離症
- 側弯症(特発性側弯症)
子どもの腰痛分離症
腰椎分離症とは
腰椎分離症とは、腰の骨の後ろにある部分(椎弓)が分離してしまった状態です。中学生・高校生でスポーツを頻繁におこない、腰に大きな負荷がかかっている状態で疲労骨折の一種として発生することが多いです。
子どものうちに発症した腰痛は、大人と違って慢性腰痛になることは少ないですが、スポーツのやりすぎや長時間同じ姿勢でいる場合には、腰椎分離症の可能性があります。
腰椎分離症の見逃しの危険性
腰椎分離症は非常に見逃されやすい疾患です。子どもで腰痛が続くときには精密な検査が必要です。分離症には先天性の場合もありますが、お子様でスポーツの後に痛みが出る場合は、当院への受診をおすすめします。斜位のレントゲンで診察することもありますが、初期の腰痛はレントゲンだけでは診断が難しく、MRIやCTなどの検査が必要になる場合もあります。
腰椎分離症の治療と予後
すでに完成してしまった分離症は、通常の骨折のように自然に癒合することはありません。成人で発見される腰椎分離症の方の中には症状があまりない方や、レクリエーション程度のスポーツをおこなっている方も見られます。
しかし、子どもで発見された早期の腰椎分離症は、硬性コルセットによる数ヶ月の固定で治癒することもあります。子どもの腰椎分離症が発見されたら、適切な診察と早期の治療を受けることをおすすめします。
腰椎分離症の早期発見のポイント

スポーツを過度におこなっている子どもが腰痛を発症している場合は、腰椎分離症を疑うべきです。早期に発見できれば、コルセットで治癒する可能性があります。
ただし、コルセットによる治療は、骨が未熟な子どもにのみ有効な方法です。場合によっては、鎮痛薬で痛みをコントロールすることもあります。それでも症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るような場合は手術を検討する必要があるため、当院までご相談ください。
子どもの側弯症
側弯症とは
側弯症は、脊柱が横方向に湾曲し、多くの場合はねじれも伴う変形です。高度に進行した場合には、肋骨の変形が強くなり肺や心臓を圧迫して、心肺機能障害を引き起こす場合があります。
子どもの頃には症状がなくても、成人期以降に変形が進行し、痛みだけでなく神経症状を引き起こすこともあります。原因には先天性、麻痺性、筋性などがありますが、特に原因がない場合を特発性脊柱側弯症と言い、側弯症全体の70〜80%を占めます。
側弯症の特徴
特発性脊柱側弯症は思春期に発生することが最も多く、患者の約80%が女児です。外見上の変形が肉眼で確認できる場合は、側弯がかなり進行していると考えられます。
両膝を伸ばして床に手をつけるように前屈した場合に、両肩の高さの左右差や腰の高さが異なっていれば側弯症の可能性が高いです。しかし、側弯の部位によってはこのような症状が見られない場合もあるため、自己判断せず医師の診察を受けることをおすすめします。
側弯症の治療法
側弯の角度やタイプによって、コルセット治療や手術が適応となります。特発性側弯症はほとんどが思春期に発症するため、「なぜこんな病気にならないといけないのか」という思いから治療を続けることを諦めてしまうお子さんもいます。
このような方が大人になって矯正手術を必要とする場合には、非常に大掛かりで困難な手術となってしまいます。脊椎に異変や痛みを感じる方は、お早めにご相談ください。
側弯症の早期発見のポイント

思春期の特発性側弯症は、成長期の子どもに痛みなどの症状がないまま発症することが多いため、変形の早期発見が非常に重要です。
学校検診では以前から脊柱側弯症の検診が実施されていましたが、2016年からはさらに運動器検診も始まりました。学校での検診だけでなく、家庭でも背骨や手足についてのチェックが求められています。
脊柱側弯症の早期発見に有用なのが前屈テストについて
- 上半身裸の状態で、肩幅くらいに足を広げて立ち、両腕を前に伸ばして身体の真ん中で両手を合わせます
- 膝を伸ばしたまま背中を丸め、手先を床につけるようにゆっくり前屈(おじぎ)します
- 正面(または背後)から見て、肩から背中、腰の高さに左右差(肋骨隆起、腰部隆起)がないか観察します
- まっすぐ立った状態で肩の高さ、肩甲骨の位置、ウエストラインで左右差がないか観察します
これらで左右差があれば側弯症の疑いがあるので、お早めに当院までご相談ください。
側弯症の早期治療
当院に来院される側弯症の患者さまは、ご家族や学校検診により姿勢異常や背骨や胸郭の変形を指摘されて受診されるケースがほとんどです。
通常、側弯変形の角度が20度以上でコルセット装着を開始することが目安となりますが、当院ではより早期からの治療がよいと考え、20度未満でもコルセット治療をおこなうことがあります。
当院ではSNNB(Semoto-Nagano Night Brace)と呼ばれる夜間のみ装着するコルセットを使用しています。学校にコルセットを装着していく必要がないため、お子様への精神的なストレスを軽減できるのが特徴です。
その他の小児整形外科疾患
小児単純性股関節炎
小児単純性股関節炎とは、ウイルスが原因で起こると考えられている関節炎で、股関節が痛くなって歩けなくなることがあります。5〜6歳頃の小児によく見られます。
シンスプリント
シンスプリントはスポーツ障害の一種で、陸上競技やサッカー、バスケットボールなど走ることが多いスポーツでよく発生します。主に脛の前方内側の痛みやふくらはぎの痛みなどがあり、放置していると重症化して疲労骨折を起こすこともあります。
幼児期扁平足
症状
歩き始めの時期に、足の裏が平らなことに家族が気づき、心配になって受診されることがあります。立って体重をかけたときには土踏まずはなくなりますが、体重をかけない状態では土踏まずができています。足の痛みを伴うことはありません。
転びやすいと感じることはありますが、歩き始めの時期は転びやすいものであり、必ずしも扁平足が原因ではありません。
原因と病態
足にはアーチ構造があり、効率よく体重を支えるようになっています。幼児期扁平足では関節のまわりの靭帯がゆるみ、かかとが外を向いてアーチがつぶれるようになります。先天的な病気が原因のこともありますので、変形の程度が強い場合には、整形外科の医師にご相談ください。
診断
立ったときにかかとが外を向いているかどうか、足のアーチが低下するかどうかを検査します。幼児期の子どもでは足の裏の脂肪が厚く、扁平足でなくても土踏まずが分かりにくいことがあるので、注意が必要です。重症度は体重をかけたときの足部X線(レントゲン)像で診断します。
予防と治療
ほとんどの場合、成長に伴って自然にアーチが形成されるので、裸足の生活を心掛け、足の指を使うことで足の裏の筋肉を鍛えることが有効です。つま先立ちや足の外側縁で歩く練習、鼻緒のある履物も効果があります。少し成長すれば、足指じゃんけんをして遊ぶようにするとよいでしょう。
アーチの低下が著しい場合には、アーチサポート付きの足底挿板が処方されることもあります。
当院の小児整形外科診療の特徴
当院の小児整形外科では、お子さまお一人ひとりの成長段階に合わせた診療をご提供しています。小児の骨や関節の発達について専門知識を持つ医師が診察を担当し、お子様の将来を見据えた治療をおこないます。
診察室では、お子様が緊張せず安心して過ごせるよう、親しみやすい環境づくりを心がけており、初めての診察で不安を感じるお子様にも、優しく丁寧に接することで、スムーズな診療を実現しています。
学校検診で指摘された姿勢の問題や、ご家庭で気になっている症状にも早期に対応します。
小さな異常も見逃さず、適切な時期に必要な治療を始めることが、
将来の深刻な問題を防ぐことにつながります。
お子様は日々成長していますので、現在の症状だけでなく成長に伴う変化も考慮した治療計画を立案。短期的な改善だけでなく、長期的な視点でお子様の健やかな成長をサポートいたします。
もしも手術が必要な場合には、提携病院へご紹介をおこない、そして術後のフォローアップまで一貫した医療をご提供できる体制を整えています。
お子様の骨や関節、筋肉に関するどんな小さなお悩みでも、お気軽に当院までご相談ください。