リウマチ科

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こんな症状はありませんか?

  • 両側の手や足の指の関節が腫れている
  • 朝、起きたときに関節がこわばる感じがする
  • 複数の関節が同時に痛む
  • 関節の痛みが6週間以上続いている
  • 疲れやすく、体がだるい感じがする
  • 微熱が続いている
  • 手足の関節に変形が見られる
  • 以前より握力が弱くなった
  • 指輪がきつくなった
  • 日常動作で痛みを感じることが増えた

関節リウマチとは

関節リウマチとは

関節リウマチは、関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することにより、関節内に慢性の炎症を引き起こす疾患です。進行すると関節が破壊され、さまざまな程度の機能障害を引き起こします。関節症状に加え、貧血や微熱、全身倦怠感などといった全身症状を合併することもあります。

症状の特徴

関節リウマチは、最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、特に朝起きたときにこわばるようになります。また、膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進むと、水が溜まり、体を動かしにくくなり、痛みのために日常生活に困難(QOLの低下)をおぼえるようになります。特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて、症状も多彩です。早期の診断・治療が非常に重要です。

全身症状

関節リウマチは、関節だけの病気ではなく全身に症状が現れる疾患です。

  • 貧血症状
  • 全身倦怠感
  • 微熱
  • 食欲不振
  • 体重減少
関節の変形

全身の関節に進行していく病型の患者さまの場合、次のような関節の変形が起こることがあります。

  • 指や手首の関節が破壊され、指が短くなる
  • 関節が脱臼して強く変形する
  • 足の指にも変形が起こる
  • 首の一番上の部分で背骨が前にずれて脊髄が圧迫され、手足の麻痺や呼吸困難を引き起こす場合もある

関節リウマチの原因と病態

関節リウマチの原因

関節リウマチの明確な原因はまだ特定されていませんが、次のような要因が関係していると考えられています。

  • 遺伝的要因
  • 細菌・ウイルスの感染
  • 環境因子
  • ホルモンの影響

関節リウマチの病態

関節リウマチは自己免疫疾患と考えられています。自分の身体の一部を異物と認識し、これに対する抗体を作って反応を起こします。このために関節液を作る滑膜という組織にリンパ系細胞が集まって反応が起こります。

滑膜はさまざまな破壊物質の産生工場となり、徐々に自分の軟骨や骨を破壊していきます。重症の場合には、関節は固まったり、逆にゆるんで大きく変形したりします。最終的に関節が破壊されつくすと、変形を残して炎症は収まります。

関節リウマチの診断

関節リウマチの診断は、アメリカリウマチ学会の診断基準(1987年)などを参考におこないます。診断基準は、臨床症状と検査結果から総合的に判断します。

主な診断項目

  • 朝のこわばりが1時間以上続く
  • 3つ以上の関節に同時に腫れがある
  • 手の関節の腫れ
  • 対称性の関節腫脹
  • リウマトイド結節
  • 血清リウマトイド因子陽性
  • X線(レントゲン)写真上の変化

これらの7項目のうち4項目以上あると関節リウマチと診断します。ただし、臨床症状は6週間以上持続していることが必要です。
「リウマチの血液検査(血清リウマトイド因子)が陽性」というのは診断基準の一つを満たすのみであり、この結果だけで関節リウマチと診断することはできません。

当院での関節リウマチの診断・治療

当院では、詳細な問診と身体所見の評価に加えて、次の検査をおこない総合的に診断します。

  • 血液検査(リウマトイド因子、抗CCP抗体など)
  • 炎症マーカー(CRP、血沈など)
  • X線検査
  • 必要に応じて超音波検査やMRI検査

関節リウマチの治療

関節リウマチの治療は、早期の診断と治療が非常に重要です。治療の目標は、炎症を抑え、痛みを軽減し、関節の破壊を防ぎ、日常生活動作や生活の質を改善することです。

薬物療法

関節リウマチの治療は薬物療法が基本であり、次のような薬剤が用います。

  • メトトレキサートなど、病気の進行を抑える薬(抗リウマチ薬/DMARDs)
  • 痛みや炎症を抑える薬(非ステロイド性抗炎症薬/NSAIDs)
  • 速やかに炎症を抑える効果があるが、長期使用には注意して処方(ステロイド薬)
  • 免疫システムの特定の部分に作用し、炎症を抑える薬(生物学的製剤)
  • 細胞内のシグナル伝達を阻害し、炎症を抑える薬(JAK阻害薬)
リハビリテーション

薬物療法と並行して、リハビリテーションも重要です。

  • 関節可動域訓練
  • 筋力強化訓練
  • 日常生活動作の指導
  • 自己管理の教育
  • 必要に応じた装具の使用
手術療法

保存的治療で効果が不十分な場合や、関節の破壊が進行した場合には、手術が検討されます。当院では、手術の際は提携病院をご紹介させていただきます。

  • 関節形成術
  • 人工関節置換術
  • 関節固定術
  • 腱修復術

関節リウマチにおける日常生活での注意点

適切な休息と活動のバランス

過度の疲労は症状を悪化させることがあります。

関節の保護

関節に負担をかけない動作を心がけましょう。

バランスの取れた食事

炎症を抑える効果のある食品を意識的に摂取しましょう。

定期的な通院

処方された薬の服用と定期的な診察、リハビリテーションが重要です。

感染症の予防

免疫抑制剤や生物学的製剤を使用している場合、感染症に注意が必要です。

ストレス管理

ストレスは症状を悪化させることがあります。

関節リウマチは早期治療の重要

関節リウマチは早期治療の重要

関節リウマチは早期に適切な治療を開始することで、関節破壊の進行を抑制し、寛解(症状がほとんどない状態)を達成できる可能性が高まります。症状に気づいたら、早めに専門医を受診することをおすすめします。
当院では、治療ガイドラインに基づき、患者さまお一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立案し、長期的な健康管理をサポートしています。関節の痛みや腫れでお悩みの方は、早めにご相談ください。

072-622-0345