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外科ですが、今は細分化されているので、整形外科と形成外科の違いについて書かせていただきました。
整形外科と形成外科の違い

「整形外科」と「形成外科」は名称が似ているため混同されることがありますが、治療対象や目的は大きく異なります。当院には整形外科についてのご質問だけでなく、形成外科との違いを尋ねられることも少なくありません。
整形外科とは
整形外科は、身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経系からなる「運動器」の機能的改善を重要視して治療する診療科です。主に背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢(腕や脚)を治療対象としています。
整形外科の主な専門分野
- 背骨と脊髄を扱う「脊椎外科」
- 上肢を扱う「手の外科」と「肩関節外科」
- 下肢の「股関節外科」、「膝関節外科」と「足の外科」
- スポーツによるけがや障害を扱う「スポーツ医学」
- 「リウマチ外科」
- 腫瘍(できもの)を扱う「骨・軟部腫瘍外科」
- 骨粗鬆症などを扱う「骨代謝外来」
整形外科で治療する主な疾患
- 骨折、脱臼、捻挫などの外傷
- 変形性関節症(膝、股関節など)
- 腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの脊椎疾患
- 関節リウマチ
- 野球肘、テニス肘、ランナー膝などのスポーツ障害
- 骨粗鬆症
- 骨・軟部腫瘍
形成外科とは
形成外科は、生まれながらの異常や、病気や怪我などによってできた身体表面が見目のよくない状態になったのを改善する(治療する)外科で、頭や顔面を含めたからだ全体を治療対象としています。
形成外科の主な治療
- 熱傷(やけど)の治療
- 怪我や手術後の皮膚の瘢痕・ケロイドの治療
- 生まれつきの母斑(あざ)の治療
- 皮膚や皮下の腫瘍の切除
- 眼球がおさまっている骨のくぼみやほほ骨などの顔面骨折の治療
形成外科で治療する主な疾患や手術
- 頭蓋骨や顔・あごの骨の生まれつきの変形に対する変形矯正手術
- 口唇裂、口蓋裂、小耳症などの顔面の生まれつきの異常に対する形成手術
- 癌や外傷などによる顔面の部分欠損に対する再建手術
- 漏斗胸、鳩胸などの生まれつきの胸の変形の矯正手術
- 乳癌で切除された乳房の再建
- 生まれつきの性器の異常に対する形成手術
両科の重複領域と違い
共通する治療領域
合指症、多指症などの手足の生まれつきの異常、手指の外傷や切断は、整形外科でも形成外科でも治療されています。しかし、整形外科では機能回復に、形成外科では外観の改善に重点を置く傾向があります。
整形外科
- 運動器(骨、関節、筋肉など)の機能回復
- 痛みの軽減
- 日常生活動作やスポーツ活動の改善
形成外科
- 外観の改善・修復
- 先天性異常の修正
- 外傷や手術後の再建
名称の混同について
日本でまだ「形成外科学」が確立していなかった時代には、整形外科で口唇裂や熱傷の治療が行われていました。また、形成外科学が確立された後も、標榜科として正式に認められるまでは、形成外科や美容外科を行う医師たちが「整形外科」を名乗っていたこともありました。
このため、現在でも「形成外科」や「美容外科」が「整形外科」として誤って認識されることがありますが、これは正確ではありません。「整形外科」は主に運動器の機能回復を目的とした診療科であり、美容を目的とした治療は行っていません。
どちらの診療科を受診すべきか
どちらの診療科を受診すべきか迷った場合は、症状や目的から判断するとよいでしょう。
整形外科を受診するケース
- 骨折、脱臼、捻挫などの外傷
- 関節や筋肉の痛み
- 腰痛や首の痛み
- スポーツ障害
- 手足のしびれや麻痺
形成外科を受診するケース
- やけどの治療
- 傷跡やケロイドの治療
- あざの治療
- 顔面の先天異常
- 皮膚腫瘍の切除
迷われた場合は、まずはかかりつけ医に相談し、適切な診療科を紹介してもらうことをおすすめします。当院では、必要に応じて形成外科などの他科への紹介も行っています。
当院での整形外科診療について

大島整形外科では、運動器の機能回復を目指した専門的な整形外科診療を提供しています。骨折や脱臼などの外傷から、変形性関節症や腰痛などの慢性疾患、さらにはスポーツ障害やリウマチまで幅広く対応しています。
患者さまの症状や生活環境に合わせた最適な治療をご提案し、痛みの軽減と機能回復を通じて、日常生活の質の向上をサポートしています。